大豆の栄養

大豆には イライラを抑える効果が期待できるカルシウム、
貧血を予防するためにも必要な鉄分、
血や肉をつくり生理機能を維持するたんぱく質、
炭水化物を効率よくエネルギーにかえるビタミンB1、
脂肪を効率よくエネルギーにかえるB2、
お腹の中をキレイニする食物繊維などの栄養がいっぱい!

特に大豆は、たんぱく質が豊富で畑の肉といわれます。
脂質の多くはトリグリセライドでその脂肪酸の半分は必須脂肪酸のリノール酸です。
リノール酸は血管壁に付着するコレステロールを取り除く作用をもつといわれているので、
大豆は動脈硬化予防に役立つ食品としても期待できます。生のものが枝豆です。

他の食材(野菜など)を使うのと大きく違う点は 下ごしらえに「時間がかかる」ところだけといっても 過言ではありません。
忙しい毎日をすごしている私たちにとってこれは 大きな短所です。
それでも大豆は上記のように、食べる価値のある食材なのです。
なんとかして毎日の食事に利用したいもの。

さいわいなことに 豆はまとめて煮ておけば 冷凍保存できる食材です。
その都度下ごしらえするのはタイヘンかもしれませんが 時間のある時に何回分かをまとめて煮てしまえば1回にかかる料理時間を節約できます。
小分けして冷凍保存しておけば 使いたいときすぐに使える それはそれは便利な食材に大変身!
さっそく 下記の方法で下ごしらえをしましょう。

大豆の保存

どの料理でも 4人分で1カップの量の豆が目安ですね。
といっても、これは好みの問題で沢山入れたい時は2カップでも構わないわけです。
基本量を決めたら 3~5回分くらいの量を一度に下ごしらえしましょう。
そうすることで、一度に掛かる調理時間と燃料費を節約できます。
沢山煮た豆は1カップ分ずつ(5カップ煮たのなら1/5量ずつ)小分けして冷凍保存します。
煮汁も捨てないで、豆とは別にして 製氷用の入れ物にいれて凍らせてから小袋にいれて保存。
豆と一緒でも構いませんが、使う時にこの方が早く解凍できますし 豆だけ・煮汁だけでも使えるから便利です。
こうしておけば いつでもサッと使える便利な食材に大変身。
さぁ さっそく作りはじめましょう!

大豆の下ごしらえ

大豆は水で戻さなくてはいけない豆です。
調理の前の晩は、大豆を水につけてからお休みになってください。

今回は一晩水につけてから調理しております。
同じ豆でも、新物と古品では新物の豆がやはり早くやわらかくなります。
(このレシピでは、全て新物の豆を使っております)
ですから レシピの調理時間はだいたいの目安とお考えください。

大豆の下ごしらえ

  1. 大豆をきれいに洗う。(ピカピカできれいに見えても 水洗いしてあるわけではありませんので。)
  2. 鍋に入れ、豆の量の4倍くらいの水に一晩つけておきます。
  3. 翌日は、つけ汁ごと(蓋をしないで)中火にかけます。
  4. 煮たってきたらアクをとり 浮いている豆が沈む程度の水を静かに入れ(これを「差し水」といいます。)再び煮立ったら、豆が踊らない程度に火を弱め(ほたる火)、紙蓋をして(なければアルミ箔を円く切って所々穴をあけたものでも構いませんし、ふきこぼれ無いように気をつけて鍋の蓋をしてもいいです)やわらかくなるまでゆっくり煮ます。
  5. 指先で豆をはさんで芯がなければ「かたゆで」、軽くつぶれるくらいになれば「やわらかく煮えた」状態といえます。(目安は沸騰してから40分くらいで 硬さをみて下さい)

0.3%の重曹を使うと早くやわらかくなります。(この場合 汁を捨て、一度洗ってから調味します。)
圧力鍋を使うとさらに早くできます。または、保温調理鍋を使うと、出掛ける時に入れておけば帰ってからすぐ調理にとりかかれます。
いずれの方法でも構いません。

下ごしらえが終わった大豆を 試しに数粒食べてみてください。
どんな料理にも合いそうな控えめな風味。

豆の味を楽しみたいのなら もっともシンプルに煮豆はいかがでしょう。
煮豆は、豆と同量くらいの砂糖と、塩を少し加えて中火で煮汁をからめるように木杓子でかき混ぜながら水分を飛ばすと出来上がりです。

黒大豆の料理コーナーで詳しいレシピを紹介しておりますので参考になさってください。
ここでは違ったタイプの料理をご紹介いたします。

※ 味付けは
こうして下ごしらえをしてからです。
この順序はどの豆にも共通です。
豆がまだかたいうちに調味料を入れてしまうと、もうそれ以上柔らかくなりにくいからです。
味付けのタイミングは、どの豆の場合も同じですが大豆のように粒の大きな豆はとくに芯がのこらないよう気をつけましょう。

砂糖を加えるときは 一度に入れると締まってかたくなるので分量の1/3位ずつを分けて入れるようにします。
醤油や塩を加える時は砂糖が完全に溶けてから

大豆レシピ

大豆と昆布の煮物

「ほどよい歯ごたえがあり、ご飯にも合いますが、お酒の肴としてもぴったり!
 砂糖しょうゆの甘辛味です。水分をギリギリまで飛ばすと柔らかめの佃煮になります。」
 
調理時間 1時間30分 (4人分)
(材料)・・・・・・・・・・・・・・・
大豆(乾物)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1カップ(170gくらい)
昆布(やわらかくなりやすい日高昆布などがよい)・・・・・20グラム
砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ5
酒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
醤油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
みりん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1



(作り方)・・・・・・・・・・・・・・
1  大豆の下準備をしましょう。
大豆は洗って 豆の4倍の量の水に一晩つけて戻します。
翌日は つけ汁ごと火にかけ、煮立ってくればアクを取り、差し水をします。
もう一度煮立ったら弱火にし、紙蓋をして煮る。
(目安は沸騰後40分間くらい)かために下煮します。
※ (大豆のこと)の「下ごしらえ」を参考になさってください。
 
2  早めに!昆布の下準備をします。
昆布は3.5カップの水につけてふやけたら引き上げて2cm角に切っておく。
切ったらまた元のつけ汁に戻しておくこと。(このつけ汁は美味しいだしが出ているので 3で使います)

3  豆と昆布をあわせて煮る。
大豆は 煮汁(煮汁は後でつかいます。)をきって鍋に入れ、2の昆布をつけ汁ごと加えて火にかける。
煮立ってくればアクをとり、砂糖・酒を加え、落し蓋をしてしばらく弱火で煮る。
つづいて醤油を加えてほとんど煮汁がなくなるまで煮る。

4  水分を強火で飛ばす。
煮上がり際に火を強火にして みりんを加えて鍋返しをし、照りよく仕上げる。
5  好みの水分量まで飛ばして仕上げる。

早めに火を止めると柔らかめに。ギリギリまで飛ばせば 歯ごたえのある佃煮風になります。
すぐにいただいてもおいしいですが、このまま一度冷ましておくと味がなじんで より美味しくなります。


五目煮

「薄味の煮物です。モリモリたくさん食べられます!
いろいろな歯ざわりが楽しい1品です。」
 
調理時間 1時間40分(4人分)
(材料)・・・・・・・・・・・・・・・
大豆(乾物)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1カップ
にんじん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中1本
ごぼう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1本
レンコン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5センチくらい
こんにゃく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/2丁
昆布(やわらかくなりやすい 日高昆布など)・・・20センチ角
砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ4
醤油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ5
干ししいたけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4枚


(作り方)・・・・・・・・・・・・・・
1  大豆の下準備をしましょう。
大豆は洗って 豆の4倍の量の水に一晩つけて戻します。
翌日は つけ汁ごと火にかけ、煮立ってくればアクを取り、差し水をします。
もう一度煮立ったら弱火にし、紙蓋をしてやわらかくなるまで煮る。(目安は沸騰後40分間くらい)
(煮汁は後でつかいます。)
※ (大豆のこと)の「下ごしらえ」を参考になさってください。 

2  他の材料の下準備をします。
昆布は2カップの水につけてから、はさみで1センチ角に切り、またつけておく。(つけ汁は後で使います。)
干ししいたけは、2カップくらいのぬるま湯に砂糖2つまみを入れた中で、30分つけて戻してから、
石付きをとり、6つくらいのイチョウ切りにします。
にんじん、レンコンは皮をむいて、ごぼうは皮をこそいで、全て2センチくらいの乱切りにし
(ごばうは薄い酢水につけてかるくアク抜きすると白くキレイに仕上がります。
この場合水で酢を洗いながしてから調味します。)
こんにゃくは他と同じくらいの大きさに手でちぎり(表面積を大にすると味がつきやすいため)
湯に一度通します。(石灰分を除いたほうが味がよくなるため)

3  豆と他の材料をあわせて煮る。
大豆は 煮汁(煮汁は後でつかいます。)をきって鍋に入れ、昆布のつけ汁をいれて火にかける。
2の具を加え表面に煮汁がかぶるよう水量を大豆の煮汁で調節して、煮立ってくればアクをとり、砂糖を加え、落し蓋をして20分くらい弱火で煮る。
つづいて醤油を加えてさらに煮込み、味を含ませます。
野菜類が柔らかくなり、煮汁が少なくなったら 出来上がりです。